みんなの健康講座
広報 はつかいち より HATSUKAICHI


平成16年9月1日号 No.967

軽いケガは適切な応急処置をして、痛みが無くても受診を

佐伯支部 敦賀 一郎

◆適切な応急処置は回復を早める

スポーツや仕事・日常生活を送るなかで、注意していても不慮のケガは避けられないものです。

そんなとき、医者に診せるまでの間、ケガを悪化させないようにできるだけよい状態に保っておく方法が応急処置です。

明らかな骨折や脱臼のない比較的軽いケガには応急処置を行います。

適切な応急処置を行うことにより、機能障害の予防や早期の回復が見込まれます。

◆身体に表れる反応

一般に身体の一部に損傷を受けた場合には以下のような反応が起こります。

この流れを②の段階で抑え、なるべく③以上に進ませないようにしよというのが応急処置の目的です。

◆応急処置とは安静にし、冷却し、圧迫し、挙上すること

応急処置(RICE)とは以下のような処置の頭文字の造語です。

◆ねんざを軽く考えるのは危険

一般に皆さんがねんざと聞いたときには軽症と考える傾向にあるように思います。しかしながら、医学的にねんざとは、関節が外力を受けてその生理的運動範囲以上の運動を強制された場合で、骨折や脱臼以外の状態をいいます。ですから、ねんざの中には関節包やじん帯の軽度の損傷から、じん帯が断裂して関節がグラグラするものまで含まれています。

よく、ねんざがくせになったというのはじん帯が断裂したまま残ってしまった状態です。じん帯が断裂した場合ギプス固定や手術が必要なこともあります。

応急処置がうまくでき、痛みが一時的に軽減してもケガが治ったわけではありません。また、慢性期になると治療が難しくなることもあります。ですから応急処置がうまくできてもなるべく早く一度は医者に診てもらうよう心掛けてください。