みんなの健康講座
広報 はつかいち より HATSUKAICHI


平成16年6月1日号 No.961

歯周病を防ぐために

佐伯歯科医師会 廿日市支部 広沢 真

現在、テレビなど多くのマスメディアが取り上げる歯科疾患の一つに、歯周病があります。

◆歯周病とは?

読んで字のごとく「歯の周囲に起こる炎症などの病気」です。その中で大きく分けると、歯肉炎と歯周炎に分けられます。若年者では歯肉炎が多く、成年以降では歯周炎の方が多くなります。

歯肉炎は、歯肉(歯の周りの歯ぐきの部分)のみに炎症が起き、赤くなり、少しはれが起きている状態を言います。歯周炎は、歯を支えている歯肉や歯槽骨(歯の周りの骨)がじわじわ破壊され、なくなっていく病気です。これらは、日本人の成人の70~80パーセントがかかっていると言われています。

◆原因

口の中には、多くの細菌が存在します。もし、食べかすが口の中にたくさん残ったままになっていると細菌が食べかすをえさとして、どんどん増殖していきます。この増殖した細菌のかたまりをプラークと呼び、このプラークが歯の周囲の歯肉や骨に炎症を起こし、破壊していく原因となります。特に、歯の周囲に歯石という石灰化物が付着していると、プラークは歯みがきで取り除くことができません。

歯周病になりやすいのは、次のような人です。

◆治療

歯周病の予防に大切なことは、プラークコントロール(歯みがき)です。いかに口の中のプラークを少なくするかが鍵になるので、日々の歯みがきは非常に重要です。歯肉炎のみであれば、十分なプラークコントロールで治りますが、歯周炎の場合、歯石が付着していると、歯石の除去(スケーリング)などが必要です。歯科医院を受診し、歯の周囲の掃除をしましょう。歯石が付着する量は個人差があります。3か月から半年に一度は歯科医院に行き、歯石が付着していれば取り除くことが大切です。歯石は放置するほど、強固に付着するので、放置する期間が短いと取り除くときの痛みも少なくてすみます。

◆あなたは大丈夫?

以上10項目の中で一つでも該当する場合、歯周炎を疑った方がよいでしょう。一日でも早く歯科医院を受診してください。歯周炎は日々のプラークコントロールと定期健診(半年に一度の受診)で進行を遅くすることができます。