みんなの健康講座
広報 はつかいち より HATSUKAICHI


平成16年4月1日号 No.957

吉和に来てからの1年を振り返って

廿日市市吉和診療所 西村 直之

吉和のこれまでの医療体制は、8年前までは開業の先生がおられたのですが、高齢のため引退され、その後は佐伯中央病院から週2回、半日の出張診療をお願いしてきました。

そんな中、吉和診療所は昨年4月、常設の診療所として開所し、1年がたちました。

昨年3月中旬に下見のために吉和を訪れたとき、まだ雪が降っていました。「大変な場所に派遣されることになった」と診療所の開所に携わる不安だけでなく、ちゃんと生活していけるか不安になりました。

しかし、4月になり吉和での生活が始まるとすぐに吉和の環境が好きになりました。十方山、冠山に囲まれ、太田川が地域を縦断し大自然に囲まれています。「西の軽井沢」をうたい文句として別荘が売りに出されているのもうなずけます。

登山、ジョギング、そして冬にはスキーと自分でも田舎生活を満喫していると感じています。

一方、肝心の診療の面ですが、暇なようであわただしく、あっという間に1年がたちました。

住民の皆さんから信頼それ、安心して利用してもらえるような診療所にするため試行錯誤の毎日です。

また、健康教室を開催したり、月1回、診療所から便りを発行したりして、診療所が地域の人にとって身近な存在になるよう努めています。

へき地の診療所の仕事は、可能な検査や患者数が少ないというマイナス面がありますが、地域とつながりが強く、責任の重さと共にやりがいを感じます。

また、患者さんに近い視点から、病気や提供する医療を考えるようになり、自分にとって大変貴重な経験をしいてると思っています。


~吉和地域の保健師から~
吉和診療所が常設されて1年

吉和診療所が開設されて、1年。吉和では、定期診療はありましたが、無医地域だっただけに、医療面に対してする不安はとても大きいものでした。

そんな中、大きな病院から小さな診療所に移ってきた先生のプレッシャーは相当なものだったと思います。

1年たち、吉和地域で行ったアンケートを見ると、「吉和診療所ができて吉和地域の医療不安が軽くなった」、「先生や職員の対応が良かった」という意見を多数いただき、ありがたく思いました。

地域の保健師の立場からしても、「診療所だより」と「吉和保健センターだより」の発行、「生活習慣病講座」などの健康教育をはじめとして、診療所との連携が、今までの医療従事者1人のときに比べ、身近でとりやすくなり心強く思っています。

吉和診療所は、地域の皆さんに支えられて運営しています。

ご意見をお気軽に、廿日市市保健センター(電話 20-1610)または、吉和保健センター(電話 77-2735)[不在の場合は吉和支所市民福祉課(電話 77-2111)]までお寄せください。

廿日市市吉和診療所 電話 77-2780

・内科診療

診療日:毎週月~金曜日 9時~12時、14時~17時
休診日:第1・3・5水曜日、毎週土・日曜日、祝・休日
*訪問診療もおこなっています

・歯科診療

診療日:木曜日・土曜日(祝・休日を除く) 9時~12時、13時~15時
休診日:第1木曜日・第3土曜日