みんなの健康講座
広報 はつかいち より HATSUKAICHI


平成15年11月1日号 No.947

アレルギーの原因と対応

佐伯地区医師会 廿日市支部 田邉 道子

アレルギーによって起こる病気には、アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などがあります。これらの病気は、近年とても増加してきています。また、大都市では、地方の町村の2、3倍これらの病気になりやすいといわれています。とくに気管支ぜんそくは、地方に比べ大都市では明らかに多いだけでなく、1960年代と現在を比較すると、少なくとも5倍程度増加しています。

◆環境要素が大きく影響

アレルギーは、アトピー素因(アレルギー体質)といわれる遺伝的要素と環境要素の互いの働きかけによって症状がみられるようになります。両親にアトピー性皮膚炎と気管支ぜんそくがあれば、その子どもの84パーセントに、また、片親に療法の病気があれば57パーセントにアレルギーがみられたとの報告があります。

しかし、ここ数十年で日本人の遺伝的要素が大きく変わったとは考えられません。また、遺伝的要素が似ている双子でも、一方にはアレルギー症状が出ないということがよくあります。環境要素がアレルギーに大きくかかわっていると考えられます。

例えば、気管支ぜんそくの場合には、直接の原因になりやすい抗原のほかに、気象、感染、運動、精神、植物、薬物、疲労、内分泌などが関係してきます。

◆家庭で原因となるもの

これら以外にも、温度、湿度、風速、気圧などの気象条件もアレルギーに関係していることがあります。

さまざまな原因が複雑に影響し合ってアレルギー症状が出るので、家庭生活の中でいろいろな注意と観察が大切です。